腰痛 痛いのは筋肉、原因は骨格
「腰痛」10の大間違い
④痛いのは筋肉、原因は骨格、長引くと神経
患者さんから、痛いのは骨ですか?神経ですか?などとよく聞かれます。ここで体の最も大切な「基本構造」をハッキリしたいと思います。
◯「骨格」体を支えるのが役割
◯「筋肉」は骨格を操作して「力」と「動き」を作り出す
「骨格」と「筋肉」は連携して体を物理的に根本的に支える「体幹」を構成する。これが体のハード面での基礎となります。その体幹の中を「血液」と「神経」が張り巡らされている。
◯「血液」は「物流」。全ての細胞に必要物資を届け、ゴミを回収(これが重要)
◯「神経」は「情報伝達」全ての細胞に運動指令を送り、知覚情報により各部の動きを把握する
「血液」と「神経」は連携して全身の筋肉・臓器を作動させる。あたかも「政治と経済」
そして(骨格 × 筋肉)×(血液 × 神経)。この四つの基本構造の中で内臓器も作動します。
そもそも「骨」と「筋肉」と云うのはお互い真逆な性質のものです。
骨は固くてそれだけでは動かない。筋肉は縮む事で動きを作り出しますが、それだけでは意味がない。
この真逆の性質を持つ「骨」と「筋肉」が組み合わさる事でこそ、筋肉の力が骨によって体現されて「力」と「動き」が発現されます。
「筋肉」だけでは片手落ち、「骨格」だけでも片手落ち。「筋肉と骨格」の両面から見て改善しないと治療は進みません。
「筋肉」を鍛えるたら力が出ると思ったら間違いです。「骨格」と云う筋肉以上に重要な部分のことを考えずして、筋肉だけを鍛えても空回りするばかりか体を悪くする原因にもなります。
「骨格」= 要は「関節」の問題です。関節は謂わば蝶番(ちょうつがい)ですから、筋肉が力を発しても蝶番が踏ん張ってその力を受け止めてくれないと「力」は発生しません。
筋肉が衰えると衰えた分だけの「力」が出なくなりますが、関節の状態が悪くなると一気に力が出なくなります。物を握ろうとしても力が入らなかったり、膝に力が入らない等が起きます。
それをなお、筋肉を鍛えようと負荷を掛けると関節を傷める原因となります。
「①腰痛の原因は確実にある」で書いた様に、人間の骨盤は誰でも必ず歪みます。
体を支える為の「骨格」に歪みが入れば、体を支える仕事を筋肉が負担しなければならなくなります。年月が経過するうちに筋肉が体を「固定」する事で体を支えるので、この状態が「体が硬い」と云う状態です。
体が硬くなった「動物」って、自然界で生きて行けると思いますか?「体が硬い」と云うことは生物としてとても不自然な状態です。ライオンに喰われるか、微生物に喰われるかです。
体の異常を神経が察知してアラームを鳴らす。それが「痛み」
「腰痛」は、腰が痛い、痛くない、と云う事以上に、骨格の要として「体を支える」と云う、最もベースな、重要な役割を果たせなくなっている事こそが本当の問題点です。
最近多い「脊柱管狭窄症」と云うのも、腰の悪い状態に気付かず30年、40年と放置して来た為に起きる症状です。
痛みが消えたら「治った」などと勘違いして年月が経過するうちに、骨格の歪みから姿勢が崩れ、そこから起きる筋肉の硬化、そこから起きる全身的な体液循環障害、共々に発生する神経障害など。運動器に限らず、全内臓器、脳、感覚器など、あらゆるトラブル(病気)が発生する、下地、根本原因を作っているのです。
骨格筋肉と病気発生のメカニズムは後日「⑧腰痛がある様な状態が、殆どの病気の原因になっている」で触れたいと思います。